レグルス

映画オタク

【書評】楽園とは探偵の不在なり 斜線堂有紀

なんとも映像化できそうにないけど漫画ならありかなという内容です。天使が出てきて飛び回っているような島でのクローズドサークル連続殺人事件。ただし、背景に条件があります。1人殺しても問題ないのですが(問題あるだろ💢)2人殺してしまうと天使に火炙りの刑にされて地獄に行くということです。この火炙りがすごいので2人殺すのは避けなければならないのですが、逆に1人ならいいのかって、それ警察も許すな?って感じで、そんな世界線の中で起こる連続殺人。探偵の青岸焦が推理するのですが、この男も実は傷心真っ只中。探偵事務所のメンバー4人が車の中で事故に遭って死んでしまっているというものです。この事故に関係するファンネルという小型爆弾の流通に関わっているのが島の所有者の常木王凱。支援している政治家、研究家、実業家、記者、館の執事がみんな殺され、メイドが犯人でした。という、めちゃくちゃ実現してたらハードな内容で、そこにこの天使の所作が関係してくるので複雑な推理が必要になる難解な小説です。

それにしてはかなり砕けたほのぼの感のある書き方で救われた内容でしたね。