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【書評】人狼城の恐怖 二階堂黎人

久しぶりの書評です。この作品は現在、本屋さんで購入できません。Amazonで中古が出るのをひたすら待ちながら集めた分厚い4冊の文庫本です。世界で最も長編の推理小説になります。

昨年末から読み始めて、年末年始で読み終わろうと思っていたら2月までかかりました。でもよく途中でやめなかったと思います。やはり、新本格はいいですね。綾辻行人の「十角館の殺人」で始まった自分の新本格読書熱は消えていなかったようです。

ドイツ編、フランス編の別々の大量殺人事件を、名探偵二階堂蘭子が解き明かす。最後の解決編にいたってはドイツ編、フランス編を見返しながら読むように誘導されており、あくまで小説としての、そして読者に挑戦するようなスタイルで描かれています。

民族問題から製薬メーカーの犯罪に切り替わっていくくだりは迫力があり、最後は「人狼」の存在を窺わせる展開にドキドキさせられました。

二階堂黎人の作品は、当時あまり興味を示さず「地獄の奇術師」でやめていたのですが、これから少しずつ開拓していこうと思います。