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【書評】孤島パズル 有栖川有栖

江上探偵第二弾。今回はマリアの親戚の家に、というか島に遊びに行った江上先輩とアリスの3人が、おどろおどろしい殺人事件に遭遇するという、「関係者の家庭殺人事件」というシチュエーションです。「蒼海館の殺人」に似ています。

過去に起こったおじさんの死にまつわる家族の苦しみがあるとき真実、つまり単なる事故ではなく殺人事件であったこと、そしてその犯人と、共犯者を次々殺していくという内容ですが、江上先輩がほぼ単独で推理します。マリアは関係者なのでここではちょい役になりますね。アリスはほぼナレーターです。

ちょっと怪しいなって思える登場人物は途中で男2人に絞られるのですが、もちろんこの人たちなら推理する意味がなくなります。最後の殺人における時間と登場人物の行動から大団円に向かうくだりは迫力があります。最後は犯人の礼子さんが入水自殺するくだり、横溝正史の終わり方ですね。

本作は宝探しを楽しむもう一つのストーリーもあり、2度楽しめますね。