レグルス

映画オタク

美と殺戮のすべて

ヒューマントラストシネマ有楽町で鑑賞です。

現時点で今年の洋画のベスト級の映画です。テーマは医療訴訟ですが、相手は製薬会社の裏で巨額の富を得ることになったサックラー家を相手にしています。「オピオイド危機」とも言われ、まさにアメリカ国家を巻き込むほどの大事件となったノンフィクションの映画化。主役は自身も被害にあった一人の写真家で仲間と共にデモ、抗議運動に立ち上がり、製薬会社の破産、サックラー家の莫大な賠償金を引き出したというもの。

ただしこのストーリーの中には主役の家庭環境、特に姉の死について赤裸々に語られるエピソードがあったり、自身の自暴自棄となって破綻した半生、多くの友をエイズで亡くしたことに対する政府批判、薬物中毒患者に対するハームリダクションの必要性などを表現しており、かなり見応えのある作品になっている。

愛情とハームリダクションは自身に直結するテーマであり、医療者として見ておくべき映画と感じた次第である。

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

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